ICT委員会の2019年の振り返りとこれから

 2019年が終わろうとしてます。今年もICT委員会は数々の成果と伝説を残してきました。

 この記事はICTアドベントカレンダー最終日(12月32日)の記事です。ICT委員会の2019年の活動を顧問の立場から振り返り、これからのICT委員会に向けて、私の今の考えを残していきたいと思います。

 昨日は委員長の記事でした。ウエハラは2年生委員長として良くがんばってくれました。TNGを始めとする限りなくクセの強い先輩達を相手に大変だったと思います。

urharrr.hatenablog.com

2019年の活動の振り返り

全チームが予選通過した

 今年は高専プロコンに自由・課題に3チーム応募して全て予選通過した。昨年4チーム応募したにもかかわらず、3チームが予選落ちして、通過したのが1チームしかなかったのに対し、今年は全チームが予選通過した。

 これはある意味予想外であった。毎年の事であるが今年がとりわけアイデアがでなかった。私は今年はこれまでと違って、ICT委員会の活動を通してこれまでよりも一歩引いた位置で見ていた。これまでだったらアイデア出しに乱入したりしていたが、今年は学生の方から相談がない限り、自分から積極的に係わることを自重した。

 一番最初にアイデアが固まったりんごの「ベーコンチーム」でもGWに入る直前、「さやえんどう」チームはGW後、「マンゴーごはん」チームは5月中旬であった。当然ながら企画書を作成し、それを練り上げる時間が無い。提出した企画書の完成度も低いものだった。私は正直、全チームが予選落ちすることを半ば覚悟した。ICT委員会は毎年予選通過しているが、自由・課題部門に応募しながら本選に出場できなかった学校は都城大会で24校もある。予選通過は決して甘くないのである。

 ところが蓋を開けてみると全チーム予選通過した。はっきり言って驚いた。これが今のICT委員会の実力なのかそれともまぐれなのか、そのどちかであるのかは苫小牧大会の結果を見るしかない。

 一方、パソコン甲子園である。パソコン甲子園のモバイル部門は第1回の2012年から2019年まで毎年予選通過していた。今年は2チームがエントリすることになっていた。しかし、各チームの活動を見ていると、高専プロコンと同様、今年は予選通過は難しいのではないかと考えていた。パソコン甲子園の企画書の締切は高専プロコンよりも約3週間遅い、例年だと高専プロコンのチームの頑張りに引きずられる形でアイデア出し、企画書作成をするのであるがこれが全く見られない。昨年の「チョコブラウニー」チームがそうであったが、ことしの「ここあ」「あずきまっちゃ」チームもほぼ同じ動きをしていた。

 パソコン甲子園の企画書作成は高専プロコンのそれよりも大変である。高専プロコンの企画書は12ページという制限があるが、パソコン甲子園の企画書にはページ数制限がない、従ってどこで満足するかが問われる。また、文章を各部分が多い。考えていることの言語化とそれを表現する日本語力が必要である。

 企画書作成を通して私に意見を求めることがほとんど無く、最終的にどのような企画書が作成したのかも分からない状況であった。

 このような中、2チーム応募した。本選出場チーム8チームのなかにICT委員会が2チーム予選通過するのは難しい。2チームとも落ちるとは思っていなかったがどちらかのチームは予選落ちすると予想していた。

 ところが、予想に反して2チームとも通過した。はっきり言って「まさか!」と思った。

 結果として高専プロコンもパソコン甲子園も応募したチーム全てが予選通過した。それ自体はとてもいいことであるのは間違いないのであるが、その後の展開をみるとICT委員会の最大の弱点である

「予選をとおす力はあるが、作りきれない/受賞出来ない」

ことをまたもや繰り返す結果になった。

昨年と同じことを繰り返した競技部門

 高専プロコン競技部門の結果は

ファーストステージ1-Lリーグ4位敗退

敗者復活戦R-Hリーグ1位通過

セカンドステージ2-Hリーグ3位敗退

であった。昨年の阿南大会と同じ結果である。いや、過去ICT委員会が繰り返してきたことを今年も繰り返してきたに過ぎない。ICT委員会が始めて高専プロコン競技部門に出場したのは2006年、今年で14回目である。過去、決勝戦まで残ったのは3回あり、そのうち特別賞が2回、準優勝が1回ある。それ以外の11回は今年とほぼ同じようなパターンで負けている。すなわち、

やっと完成するあるいはまだ完成しないまま沖縄を発ち、現地での初日の徹夜でやっと動かすことに成功し、バグで1回戦は敗退し、再度の徹夜で完成度をやっ> と上げ、敗者復活戦はかろうじて勝つものの、準決勝では全く歯が立たない。

というものである。

 そうなる過程もこれまでn回繰り返されてきたことである。

 4月にルールが公開されたときは一時的にモチベーションが高くなるが、5月の予選資料を提出後活動がほぼ停止する。競技部門なので予選落ちする心配が無いため6月の予選結果が発表されてからも特に感慨も無く漫然と過ごし、7月を迎える。7月は謎の余裕、8月は期末試験のため時間が溶ける。当然ながら夏休み中もほとんど進捗が生えない。気がついたら9月になり夏休み最終週の合宿を迎える。開発を本格化しようとするが、システム詳細説明書の提出をしなければならない。気がついたら大会への出発前日を迎える。

妖精が大活躍した

 今年は妖精さんが大活躍した。これまで、ここまで妖精さんが大活躍したことはない、大妖精さん、語彙漸減妖精さん、破壊妖精さんが活躍しました。

 妖精さんが活躍するということは本来のチームが炎上しているということに他ならない。開発に手一杯になり、ポスター、パンフ、プレゼンにまったく手を付けることができず、それに見かねて慈悲深い妖精さんが現れ、文字通り魔法のような力で作り上げていった。

 しかし、りしやびーまかが書いているように妖精さんたちは迷いながら仕事をしていた。

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 今のICT委員会には開発の技術力の低下とそれ以上に進捗管理の力が落ちている。過去を振り返るとつよつよの7期生が老害になった2014年から2016年の状況に似ている。2017年と2018年は開発の方は綱渡り状態だったがプレゼンはりしとるいこの力でなんとかなっていたので妖精さんの出番はなかった(というより妖精さんになれる人材もいなかった)。

 本来、妖精さんもサンタクロースもいないのである。ポスターができていなくても、プレゼンがボロボロでもそれはそのチームメンバーが責任をとるべきである。そもそも3月で12期生は卒業する。妖精さんは本当にいなくなる。




今後のICT委員会に向けて

チームのあり方

 これまでn回言ってきたことであるが、メンバー毎に担当を決めるのはいいが過度な縦割りにしないこと。メンバーはせいぜい3~5人である。それぞれのメンバーが他人の作業に対してあまりにも無関心すぎる。開発担当のメンバーはプレゼンのことは知らないし、作りかけのプレゼンを見たこともない。そのため、プロダクトの機能全体がわからないまま本番を迎える。プレゼン担当は技術的内容を知らないばかりか、聞こうともしない。そのため、プレゼンのなかのシステム構成図が書けない。

 メンバーが集まって進捗確認する場合においても、進捗がある/ないの確認だけで、 技術的などんな問題につまづいているのか、それをどうやって解決したらよいのか具体的な議論をしあうことがない。他のメンバーの進捗がどうなっているのかリーダー以外は余り関心が無い。チームがチームとして力を発揮するためにはそれぞれに課された役割をきちんと果たすと共にお互いが補い合うことが大切である。

 ことしはラグビーワールドカップが日本で開催され、流行語大賞に日本チームのテーマ「ONE TEAM」が新語・流行語大賞に選ばれた。ラグビーの精神論によく言われる

「One for all, All for one」

と言う言葉があります。誰もがどこかで耳にしているはずです。この言葉が意味しているのは、

「一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために」

ということである。目的を達成するためにチームメンバー全員が努力しているはずだ。自分の担当部分をこなせば良いと言うものではない。チームの誰もが他のメンバーの事を気にかけ、完全に理解していなくとも何となく誰が何をしているのか知っているべきではないか。

 そして、他のメンバーのしていることが間違っていると思ったら指摘すべきである。こんなことを言ったら気分を害するかも知れないと思って遠慮すべきではない。すべては「一つの目的にため」である。

 大会が終わった後、各チームは反省会をしているがその内容をみてみるとよく分かる。どのチームも「反省点もあるけど、いいところいっぱいあったね。楽しかったね。」しか書いてない。良くなかったことに対して、なぜそれが起きたのか、今後改善するためにはどうすればいいのかが全く考えられていない。まるで仲良しグループの話し合いである。同じ過ちを繰り返すのも無理はない。

 そこまでして勝ちに拘る必要は無いのではないかと考える人もいるだろう。高専プロコンもパソコン甲子園も楽しく参加すればいいんじゃないか。それはそれでいい。それならそういう人はがんばって賞を獲りたいと思っている人とチームを組むべきではないし、ましてや妖精さんを招集するのは論外である。

 チームのあり方を今一度考えて欲しい。

ICT委員会に所属するということ

 ICT委員会は言うまでも無く部活である。同じ興味を持った学生が集まり、お互いを教え合い、切磋琢磨することによって部員が成長することを目指した部活といえる。

 各部員がICT委員会に入っている理由はひとりひとり違うだろう。大会に出て賞が獲りたい、就職に有利かも知れない、ICT委員会の頭おかしい部員が面白い等々。それぞれ違うかも知れないが、ひとつだけ考えて欲しい。ICT委員会に所属して様々な事を得ると同じぐらいICT委員会に貢献して欲しい。

 これは大会に出ろとかそういうことを言っているのではない。LTで発表してもいいし、後輩に何か教えてもいい、先輩に分からないことを聞くのも貢献のひとつである。ICT委員会において部員とコミュニケーションし、お互いを高めあえば良い。

 しかし、個人でイベントに参加するのに公欠の押印が欲しいから所属するというような自分だけの利益のためにICT委員会を利用するのは辞めて欲しい。

 ICT委員会という部活を維持するためには委員長のブログにあるとおり、大変な努力と労力が必要である。そして、ICT委員会を作っているのは委員長や顧問だけではなく、部員全員である。毎年、新入生が入部したいと思えるような部活にして欲しい。

ICT委員会はOBOGが作り上げてきました。今や全国的なレベルになっていると言っても過言ではないでしょう。そのICT委員会を引き継ぎ、より一層発展させてもらいたいと希望します。