高専プロコンの応募テーマがひとつだけ予選落ちした

 昨日、高専プロコンの予選の結果発表があった。

 沖縄高専は昨年に引き続き全部門通過となった。しかも、自由、課題合わせて3テーマ通過は本校史上初のことで、これから開発に向けてかつて無いデスマが予想される。

 本選には競技合わせて4チームが一関に行くことになりプロコンでの沖縄高専の存在感を一段階アップさせるよい機会にしたい。

 順調に思われる本校ICT委員会であるが、ひとつ大きな番狂わせがあった。老害4人組のテーマが予選に落ちたのである。詳細はなっちゃんのブログ記事まるさのブログ記事にあるように本人たちはかなりのショックを受けており、敗因を自分なりに分析している。

 老害組がなぜ予選通過できなかったのか、顧問視点で分析してみる。


老害組への私のコミット方針

 今年の1月に書いた「ICT委員会顧問としての2013年の反省と2014年の目標・方針」(半年も記事を書いてない事を再認識!)にあるように、積極的に私から関わることはしないようにし基本的に放置した。もちろん、相談や意見を求められたときには喜んでディスカッションしたが細かい指示はせず、活動が低迷していると感じたときに「このままだと予選落ちるぞ」と警告するにとどめた。

 基本方針として放置することにしたのは。これまで高専に入学してから4年間、様々なコンテストで数々の受賞をしてきた彼らに対するリスペクトであり、もう一つは、積極的に私がコミットするICT委員会の下級生チームとの競争の場とする事を狙った。老害組と私との戦いの意味もふくめた。

老害組のとりくみ

 ICT委員会では下級生への教育をかねて、複数学年の混成チームを作る事が多いが、なっちゃんのブログ記事にあるように老害組でチームを結成した。

沖縄高専は基本的にICT委員会がプロコンに参加しており、学年はごっちゃで出すけど、わたしたちはどうしても最後に思い出づくりで5年生でやりたかった。わたしとマルサは受験生で、プロコンの1週間後にはふたりとも受験とかいうとんでもない日程ってのはわかってた。だけどそれでもどうしてもどうしてもみんなでやりたかった。

 また、早い段階から自由部門への応募を決め、2月から真剣なアイデアだしをしていた。それも、漫然としたブレストではなくかなりシステマティックに進めていた。

少なくとも今回突破した他の沖縄高専の3チームのどのチームよりも時間をかけた。2月から話し合いを始めた。たくさんアイディア出した。github見たらボツ案だけどボツ案にしなくてもいいようなレベルの案が正直たくさんある。

 老害組は現在のICT委員会メンバーのエースであり、全国の高専に誇れるギーク集団だといっても過言でないチームが、これほど真剣に時間をかけたにも関わらず、なぜ予選落ちしたのか・・・


優勝を意識しすぎた

 アイデア出しの早い段階で、彼らは過去の最優秀賞、優秀賞のテーマ分析をした。そのことがかえって自分たちの自由な発想を明らかに妨げていた。自分たちがどんなものを作りたいのかという純粋な欲求よりも、どうすれば審査委員に受け入れられるかばかりを考えるようになった。

 当然、アイデアの幅が小さくなり、小粒なものばかりになった。技術的には高度なものを使おうとするが、その使い方が単純で「その発想はなかった!」的なアイデアはなかった。

 まるさも言及しているとおりアイデアに対する意見はかなり頻繁に求められたが、多くの場合「楽しくない」の一言でdisった。私的には面白いと思えるのがなかった。彼らのアイデアに、なにか自己満足的なものを感じた。

チームとしての一体感に欠けていた

 老害チームは全員が5年生である。当然、進学・就職が重く彼らにのしかかっている。早く進路を決めたgyとにゃおに対し、まるさとなっちゃんは大学への3年次編入のための勉強とプロコンの企画書作成の両立に苦しんだと容易に想像される。そのために、早めに活動を開始したのだと思うが、あまりにもチームとしての一体感に欠けて見えた。

 何度も言うが老害組はICT委員会のエースの集まりである。また、同学年の友人同士である。このことがかえって、チームワークの発揮を妨害したように思える。

 4人ともそれぞれ高い技術力を持つため、それぞれが持つ技術の興味が異なる。自然と各メンバーの出すアイデアは自分の興味のある分野に集中する。しかし、それがかみ合わない。なまじ同学年であるため発言に遠慮が無いため、何度議論してもまとまらない。

 全員で決めたように思えても、すぐにそれがひっくり返ってしまう。そのため、決められない。

 まさしく「船頭多くして船山に登る」であった。

全員が納得した最善のアイデアではなく、時間切れで妥協した

 最終提出した企画書を書き始めたのは締め切り当日であった。前述のように小粒のアイデアを決められない議論で時間切れで決めたテーマを当日に書いたものを提出した。当然、自分たちが考えたアイデアに対する強い思いがないため、できあがった企画書に他人を引きつける迫力は無い。ただ、フォーマットに従ってきれいにまとめただけのものに過ぎない。アイデア自体もどこかにありそうなものを無理矢理技術的いいわけをして独自性を主張しただけのものである。


 結果は・・・、やはりと言うべきか予選を落ちた。


これからの老害

 さすがというべきか、なっちゃんもまるさもその日のうちに反省のブログ記事を上げている。結果を受け止めるだけではなく、すでに次を見ている。

 今回の結果は数あるコンテストの中で高専プロコンに失敗したに過ぎない。彼らに残された高専生活はあと9ヶ月もある!

 卒業式の日に「最高の高専生活だった」と心から思えるよう彼らに期待したい。彼らにはその実力と行動力があると心から信じている。

 顧問から希望したいことがひとつある。もう少し下級生の活動にコミットして欲しいと思う。老害組のDNAをしっかりとICT委員会に残すためにね。