沖縄高専がIT系コンテストで強くなった本当の理由
沖縄高専ICT委員会は今年、IT系コンテスト総ナメといったら少し大げさ過ぎるかもしれないが、それに近い成績を残した。
具体的には下記の通りである。
- 高専プロコン
- 競技部門:1回戦2位通過、準々決勝敗退
- 課題部門:優秀賞受賞
- 自由部門:特別賞受賞、エグジットチューンズ特別賞受賞
- パソコン甲子園
- プログラミング部門:予選通過、本戦出場 (2チーム)
- モバイル部門:予選通過、本戦出場、グランプリ受賞
- EPOCH@まつやま
- 予選:本戦出場(2チーム)
- 本選:優秀賞(2位)
- TI-RA ビジネスプランコンテスト
- グランプリ受賞
- 第5回沖縄学生ビジネスアイディアコンテスト
- 審査員特別賞
- ニフティ秋のアプリ発表会
- 「アイデア賞」「使ってみたい賞」
※3つの賞のうち2つの賞を独占
参加するコンテストの全てで何らかの受賞をした。
これだけの成果を出すと沖縄高専が全国の高専からマークされるのは当然である。私もいくつかの高専のプロコンを指導する先生からプロコンの取り組みについていろいろ質問されたし、委員長のなっちゃんにも直接的、間接的にICT委員会の活動内容について聞かれたようである。
沖縄高専の今年の強さは次のような要因であると分析できる。
- 部活動としての継続性をもった組織的な取り組み
- なっちゃんを中心とする団結力の強さ
- 専攻科2年生のぴんくのカリスマ性、リーダーシップ、プレゼン力の影響
- なっちゃんの独裁による開発体制や方針の決定
- 沖縄高専四天王、くま、まるさ、gy、にゃおの開発パワー
- 開発チームを上級生だけで固めず1、2年生を入れて経験を積ませるチーム編成
- ICT委員会は勉強会からスタートしたことに起因する先輩が後輩を教えるDNA
- デスマをつらくてやりたくないというより、楽しいことでまたやりたいと思う意識の高さ
これらの要因に学生のがんばりが今年の成果に繋がっている。なっちゃんをはじめとする沖縄高専ICT委員会の学生はどんなに褒めても褒めすぎることはないことは断言できる。
しかし、実はもう一つの大きな要因があることを指摘したい。私、M教授は6年前に今日の成果を出すための戦略をたてたのである。去年、プロコン特別賞を受賞し、その前兆が現れたのだが、今年やっと花開いた。それは、沖縄高専メディア工学科が採用した新しい入試方法に始まる。
沖縄高専は9年前に作られた新しい学校である。開校当初から入試倍率も比較的高く優秀な学生が入学してきたが、総じて優等生タイプでとんがった特徴が薄く面白みにかけていた。そこで、情報工学に強い適性をもっている中学生を優先的に入学させるために、メディア情報工学科は独自の入試『専門実習入試』を導入した。
専門実習入試は受験生に実習形式の授業を行い、実習内容に関するテストを実施して合格者を選抜する入試である。実習の内容は中学生にとって初めて触れるものなので、新しいことに対する理解力やセンスを問うのが特徴である。中学での成績については一定水準を満たしていることを確認する程度で、オール5だからといって合格しやすいとはがぎらない。あくまで、実習での成績を重視する入試を実施し、毎年6,7人の専門実習入試で入学してくる。
思惑通り、専門実習入試でとんがっているヤツが入学してきた。専門実習入試で入学した学生は当然のようにICT委員会に入ってくる。その結果、今のICT委員会の主要メンバーは専門実習入試で入学した学生が占めている。
専門実習入試を実施してから今年で5年が経過し、今年になってやっと本科全学年に専門実習入試で入学した学生が揃った。
5年前に入試制度を変えて、IT系コンテストで全国の高専と戦える体制を作ってきた結果が今年の沖縄高専ICT委員会の成果として結実した。これが、
である。