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100点とれますか?

高専 教育

この記事は Kosen Advent Calender By Teachers の12月13日の記事です。

Kosen Advent Calender By Teachers 参加を機にブログを始めました。

この記事がブログの実質的な最初の記事になります。

 

 前回は長野高専の伊藤先生でした。私も福山雅治になりたい(いろんな意味で)と思いました。

 


 

 まずは自己紹介から。今日12月13日を担当する正木は沖縄高専メディア情報工学科の教員です。Twitterでは@m_kyoujyuのアカウントでしょうもないつぶやきをして学生から煽られています。

 

 沖縄高専は9年前に開校した全国でもっとも新しい高専です。私は1期生が入学する2日前に沖縄高専に赴任してきました。沖縄高専に来る前は某家電メーカーの研究所で組込OSを中心に14年間研究開発してきたソフトウェアエンジニアです。縁あって沖縄高専の教員になりました。授業は1年次のプログラミングI、2年次のプログラミングⅡ、4年次のOSとコンパイラを主に担当しています。

 


 

 プログラミングという科目は学生の能力差や好き嫌いの度合いが大きく分かれる科目です。そのため苦手な学生が嫌いにならないように工夫しながら授業をしています。テストでは平均点が80点になるようさじ加減しながら問題を作ります。そうすると、赤点が1~2人ぐらいのちょうどいい感じになるんですね。でも、平均80点ぐらいのテストをすると得意な学生がドヤ顔で100点をとる。問題を作る方からするとこれはとても悔しい。負けた感じになります。

 そんなとき学生から物理の先生が100点阻止問題を出しているということを偶然耳にしました。

 

『これだ!』

 

早速作ってみました。

 

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2007年2年次プログラミングII後学期期末試験(無題)

 

 100点阻止問題を作り始めてしばらくはこういった少し応用をきかせた問題を出題していました。 あるとき、問題をつくる時間がとれたことと沖縄高専が継続して出場するようになったパソコン甲子園の問題にインスパイアされてストーリー仕立ての問題をつくってみました。A4で4ページの大作です。

 

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2009年1年次プログラミングI前学期期末試験『M教授の佐世保出張』

 

 M教授のキャラクタはこのとき誕生しました。M教授が作りかけて出来ないプログラムを学生に作らせるとストーリ展開はその後の100点阻止問題の定番のパターンです。この問題のようにM教授は自虐的で少し残念なキャラに描いている問題が多いのですが、それではあまりにもアレなので沖縄を実際に襲った台風をモチーフにシリアスな展開をかっこよく振る舞うキャラとして作ってみたのが次の問題です。

 

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2011年2年次プログラミングII後学期期末試験『裏卒研テーマ』

 

 M教授の謎めいた行動がなんとなくデキる教員を演出しています。

 100点阻止問題はこのような現実世界を舞台にしたものだけではなく、その時々に学生の間ではやっているもののパロディをして作ったものもあります。映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』を観た直後に作った問題がこれです。 

 

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2009年2年次プログラミングII後学期中間試験『M教授と謎のプログラマー』
 

 この問題を作って発見したのは面白く長い問題文を書くと読むのに時間がかかったり、笑ってしまってテストに集中出来なくなることで100点を阻止できるということです。これだ!と思って調子にのってこんな問題を作ってみました。

 

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2010年2年次プログラミングII後学期中間試験『高専補完計画』

 

 この問題は最後の部分の予告の部分を書くためだけにDVDを借りてきたり、世界観を調べたりと結構苦労しました。しかし、その甲斐あって試験中にあちこちで笑い声がしていました。

 アニメネタが高専生に効果があるのが分かったので、これを作ってみました。

 

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2011年2年次プログラミングII後学期中間試験『こんなの絶対解けないよ』

 

 この問題はアニメを見ながらセリフをいったん書き下ろしてそれを変更する形で作りました。この問題を手にアニメをみるとその苦労がわかってもらえるはずです。

 また、時事ネタも問題の素材にしてみました。

 

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2011年2年次プログラミングII前学期期末試験『ONCT63選抜総選挙

 

 M教授のキャラの描写が一部混乱していてよく分からなくなっていますが、AKB総選挙をビデオにとったり、大島優子のスピーチを書き下ろしたりして地味に苦労した問題です。内輪ネタがかなり入っているので沖縄高専関係以外の人が読んでもよく分からないところがあると思いますが、学生にはそれなりにウケたので自分ではそれなりに満足しています。

 いろいろと試行錯誤しながら問題を作ってきたのですが、ストーリーがちょっとマンネリ化してきたので現実の学生をキャラとして登場させてみました。それぞれのキャラがキャラ立ちするようストーリーをミステリータッチにしてみました。

 

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2011年1年次プログラミングI前学期期末試験『M教授 vs. Professor J.』

 

 前作のエンディングに余韻を持たせてしまったので、1年後に続編を思わず作ってしまいました。連作は初めてです。

 

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2011年1年次プログラミングI前学期期末試験『Professor J.の逆襲』

 

 この問題を作って後で気がついたのですが、通常の小説では「誰が発したセリフか」を書きますが、これは「誰にあてて発したセリフか」が表現されています。これはTwitter小説の新境地を切り開いたのではないか。この手法いける!と密かに盛り上がっています。

 

 今回はこれまで作った100点阻止問題を9問紹介しましたが、2007年に作り始めてからこれまで25問作っています。全てを紹介するのは大変なので、今回はこのくらいにします。

 


 

 ここまで読んでいる人は気がついていますよね。そうですよ!その通りですよ!完全に目的と手段をはき違えていますよ!自己満ですよ!テスト時間中には半分の学生も読んでないことは知っていますよ!逆ギレですよ!でも、これくらいの遊び心くらいあったっていいんじゃないかと!

 

 という感じで、沖縄高専メディア情報工学科の学生は試験のたびに私の自己満につきあわされているかわいそうな学生たちです。同情してあげてください。

 

 ところで、この記事を読んでいる情報系の高専生諸君。私のテストで

 

100点とれますか?

 

次は鈴鹿高専の白井先生にバトンタッチです。